<霊場めぐり>
牡丹の名所,四季の花々に囲まれた隠国(こむりく)の大寺「豊山 長谷寺」です。
西国霊場でも大寺のひとつで,ゆるやかな階段の続く登廊が巡礼者をやさしく迎えてくれます。
境内は,変化に富んだ地形で,そこに多くの堂舎が点在しています。
牡丹だけでなく,石楠花,桜,紫陽花が四季折々を見事に飾ってくれます。
御詠歌:「いくたびも参る心は初瀬寺 山も誓いも深き谷川」
本尊:十一面観世音菩薩
門前町の一角に,33所霊場の創始者 徳道上人を祀る番外札所「法起院」があります。
御詠歌:「極楽はよそにはあらじ我が心 おなじ蓮のへだてやはある」
時間に余裕のある時は,少し足を伸ばして女人高野「室生寺」を訪れます。
深山幽谷に囲まれた室生の地は,古来幽邃な聖地と仰がれておりましたが,奈良時代の末期,山部親王(後の桓武天皇)のご病気平癒の祈願が5人の高徳な僧によって行われ,これが卓効のあったことから,勅命により創建されたのが室生寺です。
平成10年9月,奈良地方を襲った台風7号の強風がこの幽邃な聖地にも及び,倒壊した巨木の一つが,室生寺最古の建造物である五重塔に著しい損傷を与えました。
幸いにも,政府,文化庁,多くの方の義援,助力を得て,見事な塔として復興していました。
<さけ紀行>
長谷の地酒は,「地酒の原酒 こもりくの里」(中山酒店)です。
このお酒は清酒と異なり,本醸造の原酒でアルコール度数や原エキス分が高く,一般の販売店では扱っていない珍しいものです。
「こもりくの里」以外にも,参道には草餅屋さんが並びます。
<そば紀行>
室生寺から宇陀市に移動し,味わえるのが繊細なおそば。その店は「一如庵」です。築150年の民家を利用した囲炉裏のある店内は,都会から離れた隠れ家的な佇まいです。
蕎麦・菜食 一如庵
宇陀市榛原区自明1362(0745-82-0053)